千葉県総北高校に通う小野田坂道は大好きなアニメのグッズを買うためにママチャリで秋葉原まで通っていた。ある日、校舎裏の激坂と呼ばれる傾斜のきつい上り坂を鼻歌まじりに登る坂道は、それを見た同級生の今泉に勝負を持ちかけられる。一方で坂道は秋葉原で派手で小柄の少年、鳴子とも出会う。中学時代から自転車競技で活躍していた2人と出会い、自転車競技の楽しさに気づいた坂道は総北高校自転車競技部に入部し、どんどんその才能を開花させる。厳しい練習を乗り越え、「チーム総北」はインターハイに出場し、見事優勝するのであった。
弱虫ペダル3期 NEW GENERATON 1話「最後の峰ヶ山」あらすじ
インターハイで激闘の末、見事優勝を勝ち取った総北高校自転車競技部。1年生でインターハイメンバーであった坂道、今泉、鳴子はそれぞれ自身のバイクを新調する。部活では世代交代が行われ、部長に手嶋、副部長に青八木が任命される。今まではサポートメンバーとして描かれることが多かった2人だが、王者となった総北を引っ張っていく決意を見せる頼もしい存在にいつの間にか成長していた。一方で任命する3年生の中に巻島の姿はなかった。巻島は一体どこへ!?
NEWバイク
「隠し事してたわね!!坂道!!!!」そんな怒鳴り声からスタート。声の主は坂道の母。未だに坂道が自転車競技部でインターハイで優勝した姿を見ながらその意味を理解していなかった坂道母だったが、今泉と鳴子が必死に説明したことで、なんとか多少理解ができた様子であった。…というところでオープニング。引退する3年生の先輩達の背中と歌詞が重なり心にぐっとくる映像になっている。まさに「NEW GENERATION」という番組タイトルに沿ったオープニング主題歌であった。
舞台は変わり、神崎の自転車屋へ。フレームが歪んでしまった今泉のバイクを彼に合うように改造した神崎。今泉の走り方をよく見ていた神崎だからこそ出来得るものだ。改造後のバイクに乗り、一層インターハイへの思い、そして総北のエースとしての思いを強く持つ今泉だった。
続いてやってくるのは坂道。来店早々貸していたクロモリのバイクを返せという神崎に坂道は言葉を失い、固まってしまう。しかしそれはもちろん神崎の意地悪ではなく、坂道がクライマーとしてより回転数を上げるためにより軽いカーボンタイプのバイクを渡すためだった。神崎のプロの知識によるアドバイスはチーム総北の力の一つだ。
そして最後は鳴子。鳴子はスプリンターとしてより速く走るため、ホイールを重くし風の抵抗を減らした。
そんな1年生3人の前向きなスタートの後、図書室で兄と電話する巻島が映し出される。その手には退部届けが…
クライマーの絆
実は巻島は兄のいるイギリスの大学に9月に入学するため、総北高校も日本も離れてしまうのだった。
寂しそうに部室でインターハイのトロフィーを見つめた後、巻島は毎日の部活の練習の場所でもある峰ヶ山へ最後一本走りに行くのだった。
その途中、巻島は小野田と会い、峰ヶ山に一緒に行かないかと誘うが、巻島がそばからいなくなってしまうことを知らない坂道はその誘いを断ってしまう。これには視聴者全員が「行け!坂道!今行かないと後悔するぞ!!」と念を送ったことだろう。だが、そこは変なところで勘のきく坂道。胸騒ぎを覚え、巻島の誘いに乗り、最後とも知らず峰ヶ山へ向かうのだった。
坂道に自分の事情を一切話さない巻島だったが、坂道にかける言葉の一つ一つに自分がいなくなっても坂道には頑張って欲しいという巻島の思いが見え隠れする。
坂道の巻島への思いも、巻島から坂道への思いもどっちもわかってしまってより切ない。
第二世代総北
ついに世代交代の日を迎え、新部長、副部長には2年生の手嶋、青八木が任命される。インターハイには出場していないが、いつの間にかたくましくなっている2人。
練習中、手嶋に勝負を仕掛けられる今泉と鳴子だったが、手嶋と青八木に追いつけないまま勝負に負けてしまう。自分たちより格下だと思っていた手嶋と青八木は筋肉の差が見て分かる程の練習を積み「王者総北」として戦う決意を今泉と鳴子に見せつけるのだった。2年生の2人が強く頼れる存在になったことでさらに気が引き締まる今泉と鳴子が今後そう成長していくのか見物だ。
心配なのは坂道。巻島がいなくなってしまった現実を未だ受け止めきれない坂道はスランプに陥ってしまう。今までずっと一緒に走ってきた巻島が急にいなくなってしまうのはやはりダメージが大きすぎた。果たして坂道は立ち直ることが出来るのか!?
すべてを強さに
映画を見た人には内容の重なる部分もあったかと思うが、何度見ても坂道と巻島のやり取りは切ないものがある。でも、インターハイに出られなかったことを力に特訓をしてきた2年生のように、その2年生に負けた今泉と鳴子にさらに気合いが入ったように、坂道も巻島の一件を乗り越え、さらに強くなることだろう。
今まで追う立場だった総北が次の大会からは追われる立場になる。そのプレッシャーに負けずに戦い抜く力をつけることができるのか、新生チーム総北がどのようなチームになるのか、今期も見逃せない展開が待っていることは間違いないだろう。作画にも力が入っていて、レースシーンにも期待である。