前回のおさらい

復讐心を燃やし「存在X」に力を与えられたアンソン率いる連合王国の魔導大隊と交戦することとなったターニャたち。一方で帝国は共和国の首都へ入城。勝利の気分に酔いしれていたのだが、共和国は反撃の機会を伺っていた。

第12話「勝利の使い方」

勝利に酔いしれるべきではないと警鐘を鳴らすターニャ。しかしそれは受け入れられず、結果的に南方大陸で共和国が反撃の狼煙をあげることになる。「悪者」に仕立て上げられた帝国は多くの国を敵に回すことになり、いよいよ世界大戦の様相を呈してきた。

ターニャの警鐘

ゼートゥーアやルーデルドルフに謁見を申し出たターニャ。しかし2人とも「外出中」とのこと。どうやら勝利の美酒に酔いしれている様子。

そんなターニャを追いかけてきたのはレルゲン中佐だった。彼はターニャに対して「忌憚のない意見を聞かせてほしい」といいます。

するとターニャは「勝利と栄光もこの瞬間だけは本物」「勝利の活用ができていない」「戦後処理が怠慢、失策だ」と、珍しく参謀本部に対してもかなり辛辣なコメントをします。

さすがにレルゲンも聞きかねたのか、今回の勝利をターニャ1人の武勲だと思うなと注意します(暗に調子に乗るなと諭されている)。

刻々と理論を語るターニャ © カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

人は理性と感性の生き物である

レルゲンを始めとする参謀本部の人々は、共和国の首都を制圧したのだからこれ以上戦争を継続する意味がないだろう…と考えていたわけですね。

合理的に考えれば、これで共和国は降伏するはず。そういうことです。

しかしターニャが指摘するところでは、論理と知識の牙城である帝国が見落としていることがある。そもそも人間は合理的ではない、愚かな生き物だということです。

いかに近代化しようとも、社会規範が浸透しようとも、ときとして人は感情で動く。それはアンソンやヴァイスなどを戦場で見ていて感じたことでもあり、ターニャの中の人が部下に駅のホームから突き落とされたときに感じたことでもありました。

それゆえに、帝国への憎悪という「感情」から必ず反旗を翻してくるとターニャは考えていたわけです。

ターニャの理論に息をのむレルゲン © カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

共和国、徹底抗戦

勝利の日まで武器は降ろさない!と息巻く共和国のド・ルーゴ将軍。南方大陸(つまりアフリカ大陸)で自由共和国の立ち上げを宣言し、帝国との徹底抗戦を誓います。

それは、まさにターニャが予感していたことでもありました。

帝国はこれをぜひとも潰さなければなりませんが、南方大陸は海を1つ隔てています。陸軍国家である帝国には負担が大きすぎる。

そこでまた便利使いされるのがターニャたちの魔導大隊ですw

しかし皮肉なことに、平和のために戦えばこそ、戦争は激化する一方です。誰も戦争を望んではいなかった。

共和国軍はまた徹底抗戦 © カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

憎しみの連鎖は止まらない

ダキア、協商連合を手中に収め、大陸の覇権を握り、膨張を続けた帝国。安全保障上の脅威に感じたのは隣国でした。

つまり連合王国(イギリスがモデル)と、東のルーシー連邦(ソ連がモデル)です。さらに合衆国(アメリカがモデル)も間違いなく噛んでくるでしょう。

そうしていよいよ帝国は孤立無援、四面楚歌の状況となったのでした。いよいよ世界大戦が本格的になってきます。

安全保障上の脅威だけでなく憎しみの連鎖も止まっていません。散々ターニャにまとわりついてきたアンソンさんの娘(メアリー)もついに志願兵となります。

「神のご加護があらんことを」と唱えると、なんと瞳が黄色くなりました。メアリーにも存在Xは肩入れしたようです。この展開は燃えるやつや…!

メアリーが出てきているけど、遅すぎかwww © カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

第2期に続く!?

メアリーが憎しみを口にしたところで、OPが流れます。ここでOPが流れるということは、「真の戦いはこれからだぜ」的な意味があるのかもしれませんね。単純にOPかっこいいから嬉しかったw

帝国にとっては、世の中全て敵。あまりにも過酷すぎる戦況。そんな状況をターニャは嘆きます。訓示では部下の前でこんなことを言っていました。

「おお、神よ…」

恭しく唱えて、ついにターニャにも信仰心が…!?

と思ったら、それに続いて「キサマを切り刻んで、豚の餌にでもくれてやる」「傲慢な神とやらを失業させてやる」と相変わらずでしたww

そうでなくっちゃな!そこの芯はやっぱりぶれてない。

レルゲンの言うとおり、ターニャは「幼女の皮をかぶった化け物」です。第2期に続く!?

さて諸君、顔芸の時間だw © カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記製作委員会

 

アニメ『幼女戦記』全体を通じた感想

12話通じて、ターニャの「神を拒絶する」という立ち位置はかわっていません。どんなに理不尽を突きつけられてもターニャの中の人(オッサン)は膝を折ることがありませんでした。

それがある意味で痛快であり、ある意味では戦況の激化を招いた…とも言えるでしょう。

迫力ある戦闘シーンや魔術、そして各話の引きのよさ、ラスボス級のキャストの豪華さ、そして申し訳程度の幼女要素が絶妙に中和してくれるw

幼女要素がなければたぶん「硬派すぎ」「ミリオタ向け」みたいな評価で終わってたと思うんですが、いい感じにバランスが取れてるなと思いました。

毎週最新話を早く見たくなる良作だったと思います。ここで話が終わるはずもないので近いうちに2期も見れるでしょう。楽しみです♪