前回のおさらい
与太郎や信之助の言葉によって、寄席に戻ることを決意した八雲師匠。誰もいない暗闇でろうそくに火を灯し、1人で「死神」を掛けはじめる。目の前に死神が現れて、寄席が火事に見舞われた。
昭和元禄落語心中 第10話
火事の中から救出された八雲師匠は一命を取り留めたものの、寄席は全焼してしまった。一方、小夏と八雲師匠の2人は過去を受け入れ、ようやく2人の関係は新たな局面を迎える。
寄席が全焼
寄席が全焼してしまったので、アニさんのように「チケットもぎり」でせめて落語に関わろうとしていた人の「場」がなくなってしまいました。これから寄席以外のところで落語をしなければなりません。前途多難、ですね。
一方で小太郎の証言から、八雲師匠が「死神」をかけていたことが発覚します。それを樋口はさらに詮索しようとしますが萬月師匠に止められてしまってました。
席亭さんは「与太がいてくれてよかった」と声をかけたり、八雲師匠のことを気遣ったり、彼に対する感謝の言葉を口にしたりと、めっちゃいい人だなあと思います。
さて、あわや寄席と「心中」することにもなりかねなかった八雲師匠は一命を取り留めていた様子。顔に火傷をおっていました。最近師匠が病院のベッドに寝ているシーンをよく見ます。。痛々しい。
アネさんが妊娠、いい夫婦パートだ
小夏は「喫茶佐平次」というところでパートの仕事を始めたそう。2人で腰掛ける姿はマジ夫婦。与太ちゃんにみたらし団子を食べさせてもらう小夏さん。
甘いものをほしがるのは「信ちゃんのときもそうだった」といいます。察しが悪い与太郎は気づきません。「赤ん坊できたの、アンタの子だよ」というところでようやく気づきます。
2人めっちゃ泣いてました。小夏さんも顔を赤くしてる。家族が増えることがわかり、ほんのり和む夫婦パートでした。
樋口の新作落語
樋口は地下鉄の中で与太郎と2人。
なにをしているのかと思えば例の「新作落語」の話になりました。これまで一切取り合ってこなかったひーさんの新作落語でしたが、与太ちゃんが「新作ってまだ作ってるの?」と尋ねます。
与太ちゃんの質問の意図とは裏腹に突っ走る樋口。なんと4作も書いています。「たぬき売り」「与太郎包丁」「時間ぶろ」「三文芝居」。しかも原稿用紙持ち歩いてんのかよww
試しに原稿を読んでみたものの「口に出して、お客さんの反応を見てみないとわからない」と3行も読まずにポイー。「師匠の目の黒いうちは」新作落語をやらないそう。
彼は「女の人がやったほうがうまくいく落語」ってないのかなとも口にしていた。まちがいなく小夏を意識した発言なんだろうなと思います。小夏は噺家になりたくてもなれなかったし、なるべきではないと思っていたんでした。
でも落語を心底愛している小夏。それは「寿限無」をやったときに明らかでしたよね。古典は男の人が噺家として想定されたものばかり。女の人がやるなら新作落語もいいんじゃない?ってことなんだろうと思います。ナイスアイデア!
身一つあれば落語はできる!
そんな与太ちゃんは、ラジオで落語をやることになりました。寄席でできなくても、身一つあればどこでも落語ができる。ある意味1つの生き残る道なんですね。
テレビだとギャラは良くても落語をさせてくれないからと、与太郎は大張り切り。
ちなみに「ラジオで落語」ってのは『昭和元禄落語心中』の世界だけでなく、われわれの生きている2017年の日本でも「ラジオで落語」を体験することができるみたい。
わかりあった2人、そして小夏は八雲に弟子入り
場面かわって八雲亭。もうすっかり老衰している様子です。
「桜ぐらい植えてやればよかった」と悔いる八雲師匠。しかし「アタシのためにしてくれたことなんて1つもなかっただろ」と突っぱねる小夏さん。しかし菊さんも負けてません。「髪を切った」ことを引き合いに出します。めっちゃ昔の話ww
そして自分を振り返ると、人生の色んな感情を教えてくれたのがみよ吉であり、落語を与えてくれたのが先代の助六だったのだそう。「じゃあなんで2人を殺したの」と返す小夏の言葉はやっぱり聞いてるとつらい。八雲師匠は真相を墓場まで持っていくつもりなんでしょうかね…。
小夏がいたから退屈しなかったと伝える八雲師匠に対して、「あたしのこと見捨てないで育ててくれてありがとう」と、初めて小夏が心の内を八雲に伝えます。それに対して「あいよ」とだけ返す八雲師匠もよかった。
そうこうしているとラジオから与太郎の落語が流れてきます。野ざらし。与太郎の声に合わせて信之助も登場!「お花見をしたい」と言っていたじいじの願いを叶えてあげる信ちゃんかわいい(*´艸`*)
そしてさらにもう1つ重要な場面が。小夏が「弟子にしてください」と申し出たのです。八雲師匠にくっつきながらw
いい場面でした。これで小夏も本格的に落語をやろうとするんでしょうね。
死神が今度こそお迎えに…?
しかし和やかなだけでは終わりません。また急に場面が変わり、先代助六が登場。今度こそ「お迎え」に上がったのかもしれません…!
前回は「まだ死にたくねえ」と言っていた八雲師匠。小夏と腹を割って話すことで、喉につかえていたものが取れた菊さんは、まだ未練があると言うのでしょうか…!?
ふりかえりと今後のストーリーについて
正統後継者として与太郎、上方の萬月師匠、女性の小夏、新世代の信之助と、小夏のお腹の子、さらには小太郎。新しい世代の落語家がどんどん出揃ってきました。
さらに寄席に頼り切らずラジオを始めたりもしています。落語が生き残る道はこれだ…というのが少しずつ見えてきたかもしれませんね。
そして何よりも八雲と小夏が腹を割って話すあのシーン!第1期から通してずーっと見てきた人にはとても大きな場面だったと思います。じっくりと噛み締めたいね!