「予習が必要!」と言われる『名探偵コナン ゼロの執行人』を予習なしで視聴したので、感想を書いていこうと思う。
正直いって並の読解力のある大人なら、予習なしで初見であってもこの映画のストーリーの大事な部分(大筋)は理解できます。十分楽しめました。
ただ、確かに複雑な組織関係があるため、初見では厳しい部分もあります。安室透という人物の魅力を120%味わいたいなら、復習してから2回目の視聴…などをオススメしたいところ。
【※注意】ネタバレなしのエリアはここまでです。以下では一度以上の視聴を前提に書いています。
感想
人間関係が難しかった
今回、久しぶりにコナンを視聴しました。たぶん数年ぶりぐらい。安室透すら知らないレベルの状態で挑んだ今回の映画。どちらかと言うと人間関係と組織図がややこしかったですね。。
「警察庁」「警視庁」「検察庁」がややこしかったり、公安にも「公安警察」「公安検察」があったりと、現実世界におけるこのあたりの組織に関する知識がないと厳しいかな…という感じでした。
公安警察としての顔を持つ安室透 ©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
ぶっちゃけたところ、初見の段階では60%ぐらいしか理解してませんw(ぁ
公安の問題となると、しょせん東京都の警察を管轄するにすぎない警視庁は、国の警察を管轄する警察庁にグウの音も出ない…ということはよくわかりました。
- 警察庁:国の警察を統括
- 警視庁:東京都の警察を統括
安室透が所属しているのが「警察庁」であり、風見刑事や目暮警部や高木刑事がいるのが「警視庁」ですね。
そして公安に対して恨みや憎しみを持っている検察官の日下部さんや、弁護士の橘さんなどが物語に絡んできます。
まんまとそれに巻き込まれたのが毛利小五郎のおっちゃんでしたww
スケープ・ゴートにされた小五郎さん ©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
前半の山場は、なんといっても「小五郎のおじさんが起訴されたこと」でしたね。あのあたりは重苦しい空気が流れていた。。
こまけぇこたあいいんだよ!(AA略
予習なしの初見で理解した「大筋」ってのはだいたい上記のような感じでした。脚本を担当したのは「相棒」シリーズでもおなじみの人らしい。
だが、今回のは正直言って難しい。
アニメが好きでも「小難しい話は苦手」という人には拒否反応が起きるようなものになっていると思います。幸い自分はそういう話も好きなんだけど、それでも初見で読み解くのは結構難しい。
ましてや小学生や中学生がこれを理解するのは至難の業です。
難解であるはずの本作が、それでも人気を博しているにはもちろん理由があります(同様の理由から、自分も本作をとても気に入りました)。
- メインとなる安室透がかっこいい
- 終盤のアクションシーンに迫力があった
検察?公安?こまけぇこたあいいんだよ!!
…とでも言わんばかりに、わかりやすい「かっこよさ」と「派手さ」で観劇者を殴る…もとい、魅了していくあの構成!!!
しびれる(小並感
ぼくの恋人は…この国さ!
この映画で最高にカッコよかったのは、このシーン!!間違いない!!!
コナン「ねえ、安室さんって彼女いるの?」
安室透「ぼくの恋人は…この国さ!」
いやーーーーー安室透さんかっこいい!!!!
今作では途中まで、今回の事件の黒幕側の人間なのかとも疑わせるような構造にもなっており、敵なのか見方なのかわからない安室さんでしたが、終わってみれば超絶かっこいいだけのお兄さんだった…。
安室透は敵か味方か ©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
銃を撃ち、裏で権力を使い、命をかえりみない運転までやってのける。こいつはとんでもない人間がでてきたな…という感じでした。ハイスペックお兄さん。。
加えて安室透を演じるのはガンダムでおなじみの「古谷徹」さん。ミステリアスな感じも出しつつ、かっこよさもある名演でした。
終盤
この映画でもう1つ見どころを挙げるとすれば、終盤のアクションシーンでしょうね!
安室透の運転がすごかった。
この顔かっこいい ©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
今世紀最大のカーアトラクションと言ってもいいレベルww
- 車体を半分宙に浮かせて2車線道路の真ん中を通過
- モノレールの側面を通過
- 建物内を爆走し、空中へ発進
…などなど、完全に物理法則にケンカを売るような荒業をやってのけたのがすごかった。加えてコナンおなじみのBGMです。
ド迫力のアクションシーンが、このBGMと一緒に劇場のスクリーンと音響で流れる!
そりゃあもう鳥肌モンですよ!!
これは草 ©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
その他
「お約束」もあり
映画ではよくある「お約束」展開も健在でした。よしもと新喜劇じゃないけど「お約束」の展開があると安心するんですよね。
特に少年探偵団が大活躍でした!! あの子達のドローンの操縦に日本の運命が委ねられていたと思うと怖すぎる\(^o^)/
それから蘭が建物の中に閉じ込められてピンチになるのも「お約束」の展開。
まーーーたピーチ姫がさらわれてしまったのか
ぐらいの感覚で見てましたw
映画になるとたまに出てくる「毛利夫婦」に2828するのも、まあ映画のコナンだとよくある話…かな!!デレた妃弁護士もよかった。
世相も反映
今回のコナンの映画は、題材として「IoTテロ」が扱われていたり、ドローンが登場したりと、かなり世相を反映したものになっていたように思います。
「Bluetooth搭載の自動車をハッキングしてのっとる」ということは数年前からすでに可能になっていますが、とにかくネットワーク上に家電製品が接続されると悪用されるリスクは一気に上がります。
>参考:【体験談】運転中の車がハックされるとどうなるか…電子化の進歩で危険増大
未来の犯罪手口を暗示させるかのようなものになっていました。
初期のコナンのように「フロッピーディスク」を使っていた時代からは隔世の感があるねw
一応の解説
キー人物「羽場二三一」
この物語のキーとなる人物は、羽場二三一でした。「二三一でふみかずって読むのか〜」という点は気になってたんだけど、それが数字で88231となるという仕掛けがあったときには「なるほど…」と舌を巻きました。
彼はもともと日下部検事の「協力者」であったけれど「NAZU不正アクセス事件」の取り調べで不自然な自殺を遂げたんですよね。
そんな羽場の「自殺」を信じ込んだ橘鏡子と日下部検事は、公安に対して恨みを持ち始めます(実際には羽場は死んでなかったんだけど、公安のごく一部の人間をのぞくと、それを知ることはできない)。
主謀者から見たら…
公安「羽場が取調中に自殺した」
日下部「公安許さん、警視庁潰したろ!」
ここがこの映画の本筋です。結局の黒幕は日下部検事でしたね。
日下部にとって、羽場は家族のような存在である「協力者」だった。その羽場を失ったことで日下部は公安に対して恨みを持ちはじめた…というわけ。
安室透から見たら…
ちなみにこの事件、安室から見るとこうなります。
安室「この前のサミット会場の爆発、事件性があるのに事故処理されそう…」
安室「とりあえずそれっぽい容疑者をでっちあげとこ!」
まあここまではわかります。
安室「真相が明らかになったところで、無罪放免ってことにしよう」
安室「でっちあげる容疑者は毛利のおっちゃんにしとこ!そしたらコナンの本気も借りられるやろ〜」
うーん、この計算ずく。
橘鏡子から見たら…
ここまでならまだ話は単純なんだけど、橘鏡子が別の思惑で動いていたことで、話がかなり複雑になってきます。正直言って「ゼロの執行人」をややこしくしているのは、橘という「怪しいけど黒幕じゃなかった」ヤツのせいでもある。
公安「羽場が取調中に自殺した」
橘「公安許さん」
〜1年後〜
公安「毛利小五郎を容疑者にでっち上げる」
橘「はい」
公安「そのあとで不起訴処分とする」
橘「はい」
橘「(毛利小五郎を起訴処分にして、公安のメンツ潰したろ)」
こんな感じです。
完全に利用されただけの小五郎のおっちゃん…カワイソス(´・ω・`)
予習より復習!
正直言って、初見じゃよっぽど造詣が深い人じゃないとこの映画をしっかりと理解するのは無理!
©2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
ただ、大筋を理解することは可能だと思います。わからなかった人は↑の解説を読んでみてくださいね(^^♪
そして、優れた作品というのは2回目、3回目の視聴がおもしろいんですよ!すでにストーリーの大筋を掴んでいるので細部に気づきがあったりします。
また「なんとなく」でしか理解できていなかった作品のおもしろさが「ハッキリと」認識できるようになってくる。
予習してから映画を見るぐらいなら、予習なしで初見をむかえて、復習として再視聴することをオススメしたいですね!!
コナンシリーズはhuluで配信中!
名探偵コナンのTVアニメシリーズや、歴代映画の一部がhuluで配信中です。毎年映画公開からゴールデンウィーク前後ぐらいまでは歴代のコナンシリーズを配信してくれます。ありがたい限り。
ものすごくマニアックなものでなければ、退屈しないレベルの分量がちゃんと揃ってます。アニメだけでも400タイトル以上ある。アプリの動作もかなり快適なので、家族で加入ってのも悪くないかなと思います。
引用元:huluを使った感想
「予習・復習」するならhuluがいいと思いますよ〜。
自分はとりあえず劇場版を再視聴してこようと思ってます。