第1話ふりかえり
時は西暦1923年。帝国軍の魔導師ターニャ・デグレチェフは、9歳という若さにして中尉に任じられる軍人であった。味方からも「幼女の皮をかぶった化物」と評された彼女は、個人よりも組織を重んじるようであったが、果たして彼女は何者なのだろうか。
第2話「プロローグ」
2013年の東京。駅のホームから転落したとあるサラリーマンは、創造主に対する信仰心の欠如から転生を命じられる。目が覚めるとそこは1913年、ターニャとして孤児院に生まれていた。ターニャは軍人としての初陣で思わぬ戦闘に巻き込まれ…!?
時は2013年!?
時は進んで2013年の東京。…突然タイムスリップしてしまったようですね。日本の会社員として勤めている男は、組織のルールにのっとって順調に「レールの上に敷かれた人生」を歩んでいました。労働の対価が支払われるならリストラの宣告だって引き受ける。そんなドライな人です。
…しかし、そんな順調な彼が、駅のホームから突き落とされてしまいました!さっきリストラ宣告したあの人ですね。臨死の瞬間、彼は創造主に対する信仰心の欠如から転生を言い渡されます。
「他者への共感力もなければ」「創造主に対する進行の欠片もない」と、神を名乗るもの(存在X)が人間の姿を借りて男に語りかけます。しかし男は神の存在を認めません。「こんな状況があるなら事前に文章で告知してもらわないと」「そもそも科学の発展した満ち足りた世の中では信仰など生まれません」と言いたい放題です。
ターニャ、中身はおっさんだった
そんな会話の結論として「科学の発展していない、満ち足りていない世の中で、社会的弱者であれば、再び信仰も芽生えるのだろう」というところに行き着きます。そうして彼は第1話の、戦乱の世に転生していくのでした…。
そしてめざめると、時は1913年、ターニャと名付けられ、彼は孤児院で女児に生まれ変わっていたのでした。なんと、ターニャの中身は日本のサラリーマンのおっさんだったのです!!!幼女じゃねええええww
第1話で、ターニャが「愛国心」を唱える一方で「今後の昇進に響く」「給料分の仕事はしないと」などと、やや時代外れの発言をしていました。その意味がよくわかりましたね。
世界設定が明らかになった
ターニャのような魔導師が存在して実戦投入されていたり、1919年をすぎて戦間期に入っているはずなのに戦争が続いていたりと、やや異世界感があるお話だと思っていましたが、やはりそのようです。単純に時計を巻き戻しただけではありません。
それゆえに、未来はまだ定まっておらず、自国の敗戦も決まっていません。自らの手で結末を変えていくことができるということ。だから魔法の素質があったターニャはキャリアコースでの出世を望みます。そこでも目的は「生存と保身」「安全な後方」です。徹底してますね!
ターニャに転生してからの成長
ターニャはキャリアコースでの出世のため、士官学校への入学を志願します。(中身は優秀なサラリーマンだから)能力が高いターニャは、スピード出世を果たし、早速指導を任されることになります。
転生から第1話の時間軸に戻ってくるまでは、「ターニャの回顧」という形でストーリーが進んでいきます。その中で反抗してきた教育対象の頭蓋骨を銃剣で貫通させようとした一件を、「些細なトラブル」と言ってのけたターニャはやっぱりすごいと思いましたw
ちなみにこのときは、若き日のレルゲン少佐にすんでのところで止められています。
戦場での戦果が評価され「銀翼」に
そんなターニャでしたが、研修中に協商連合との戦いに居合わせてしまいます。彼女はその場で少尉に任ぜられます。コールネームはFairy08。妖精なのは見た目からでしょうか。。
ターニャは弾着観測手として単独で空中にいたところを、敵の魔導中隊の攻撃にあいます。援軍がやってくるまでの時間は「600」。つまり10分です。それまでたった1人で持ちこたえなければなりません。
「600」という数値を聞いたとき、ターニャは「インスタント食品を作って食べて片付けるほどの時間だぞ」と喩えましたが、ところどころでこういう現代風な言い方をするのがおもしろいところ。硬い雰囲気の作品ですが、ターニャの幼女的な外見と、クスッと笑える現代風な言い回しが、絶妙にマッチしててぼくは好きです。
さて、敵中隊を1人で相手をする羽目になり、空中戦となります。平面だけの戦闘でなく、空を自在に飛び回り立体的に戦っているのがすごいところ!見ごたえ抜群でした!そして戦闘中のターニャの顔が相変わらず狂気じみてるw
さて、彼女は、「善戦を装いつつ、戦線を離脱する」方法として自爆のような手段に出ます。これで戦績は認められるだろうと思っていたのですが、目が覚めると彼女の功績は評価されすぎてしまい、「戦場のエース」、つまり後方どころか最前線に駆り出されるポジションを与えられることになりそうに。与えられた称号は「銀翼」でした。
ラスト
仕事だからと、撫で声でプロパガンダ映像の撮影にも協力。日本のおっさんが女装させられてマスコットを演じるって、想像するとつらいですね。よく見ると歯を食いしばっているのがわかります。ターニャ、苦労してるんだな…。
そしてEDはオープニングテーマの「JINGO JUNGLE」でした。めっちゃかっこいいですね!!
ふりかえりと今後のストーリーについて
幼女ターニャではなく、ターニャおじさんでした。
第2話なのに「プロローグ」というタイトルがついてるのはなんでなんだろうと思ってましたが、すごく合点がいきました。第1話でバッチリ心を掴まれて、第2話で種明かし。良い構成だと思います。
「70億の管理ですら許容範囲をこえている」という存在Xの言葉に対し、「業務過多であればビジネスモデルに欠陥がありますね」と返すあたりがいかにも現代風でおもしろい。ターニャの中の人に言わせれば、人類の管理も「神のビジネス」ってところでしょうかw
今後としては、「過酷な世界に送られた日本人のおっさんに、本当に心からの信仰心が芽生えるのか?」というところが密かに見どころなんじゃないかと思いますね!