第6話「有馬地獄」
狸鍋の廃止を訴えて「木曜倶楽部」を立ち上げた淀川教授は、「金曜倶楽部」のメンバーから疎まれて失脚させられた。そんな彼を追い求めて矢三郎が向かった先は有馬温泉であった…。
淀川教授が失脚させられた
矢三郎たちの父親である下鴨総一郎は狸鍋にされて食われてしまったのでした。そんな狸鍋を廃止すべしと金曜倶楽部に訴えていたのが淀川教授。
しかしそんな淀川教授は「セクハラ」の疑いをかけられて失脚させられた様子。
もちろんこれは事実無根のウワサなんだろうけど、煙たがられてしまったのはある程度しかたないのかな…。准教授のクーデターなんだそう。
ともかく、そんな淀川教授のもとにバウムクーヘンを持っていった矢三郎は、そこで「金曜倶楽部」の会合が有馬で開かれることを知るのでした。
極楽とは温泉のことと見つけたり
そんな矢三郎は有馬へやってきました。
「有馬に来た以上、湯につからぬのは無粋とも言える」とかなんとか口実を作って、早速「金の湯」という温泉に行くことにww
「金の湯」で回想シーンに入るんだけど、父も昔この温泉に来ていたみたいだね。
どうも温泉に入るとニオイが消えてしまうみたいです。そして狸にとってニオイは「身分証明書」のようなものなんだそう。
何にでも化けられる狸だからこそ、何に化けても揺るぎのない「ニオイ」が身分証だっていうのはなるほどと思わされましたw
ニオイの消えてしまった父は「俺は住所不定無職の狸ってところか」と豪快に笑っていた。総一郎さんええ人やん、なんで死んでしまったんや…。
それから回想の中で赤玉先生も登場。まだ白髪になっていない貴重なシーンといえるw
海星が久しぶりに登場
温泉から上がった矢三郎が次にやってきたのは喫茶店。その喫茶店でコーヒーをアイス飲んでた矢三郎だったんだけど、そこにはなぜか海星がいた!
どこにいるかというと、なんと砂糖を入れるつぼの中だった。
マジでどこにでも現れる海星ちゃん、ある意味すごい。
海星と矢三郎の話題は弁天様のことに。矢三郎いわく「弁天様には触れてもなんとかなる逆鱗と、触れたら本当にやばいことになる逆鱗がある」らしい。
これを弁天様に聞かれたら矢三郎は狸鍋にされそう…((((;゚Д゚))))
この狸さん有馬満喫してるけど目的は忘れてなかった。金曜倶楽部の会合が開かれる場所へ忍び込むため、弁天様のあとをつける矢三郎。
ちなみにこのとき、海星は郵便ポストの中にいた。そんなに姿をさらすのが嫌なのかwww
父の姿をしたのは何者…?
建物の中に入ると父親の姿をした誰かがいます。しかし狸界の身分証明である父親の「ニオイ」はしない。
「あんたはいったい何者だ?」と問う矢三郎。正体は夷川家の早雲だった。彼は淀川教授のかわりに金曜倶楽部のメンバーになるそうです。
狸なのに狸鍋を食うつもりらしい。早雲は狸であることをやめた…とか言ってましたが、そんなことできるはずもないのにねw
なんか滑稽です。
金閣と銀閣も阿呆なら、父親もまた阿呆…ということなのかもしれない。
寿老人の地獄絵へ
そんな早雲の手によって、寿老人の地獄絵の中に放り込まれてしまった矢三郎。
「地獄絵の中の世界」を表現するのはとても難しいんじゃないかと思うんですが、色の使い方も、荒れ果てた地獄の具合も、見事に表現されていました。PA作画すごい。
赤を基調とした線の使い方といえば、個人的には『ノーゲーム・ノーライフ』なんかを思い出しますねえ。
…といっても随分と近代的な地獄だったようにも思えます。鉄道も走っているし、ドブ川、競技場のような跡地、煙突からは工業が生まれている様子も見て取れる。
矢三郎も「いったい何なんだここは」と言っていましたが、まったく同じ感想でしたw
天満屋の過去の断片
歩き回っていると、鬼と遭遇した矢三郎くん。
「おい、人間がおるで」「なんやて?どっから逃げて来たんや」など、なぜかバリバリの関西弁だった地獄の鬼たちwww
逃げた先はラーメン屋さん。しかも「天満屋ラーメン」でした。そういえば鬼たちも関西弁を使ってたけど「天満」といえば大阪ですよねえ。そういう名前の駅もあるぐらいだし。
ともかく、天満屋ラーメンの中で鬼に化けることに成功した矢三郎は、無事に追手から逃げることに成功して一安心。
さらに天満屋ラーメンの壁のところには、弁天様の写真が何枚か飾ってあって「俺の花!」とか書いていましたwww 天満屋おじさん弁天様大好きかよww
弁天様とお相撲
そんなラーメン屋さんにやってきた女の鬼さんに話を聞いていると、地獄にも「産業革命」が起きたんだそうです。現世より2世紀ぐらい遅れてる感があるけど地獄大丈夫なのか()
その女の鬼さんに案内された先は相撲場だった。ときどき天女が降りてきて鬼と相撲をしているんだそう。筋骨隆々の矢三郎鬼は相撲で戦える見込みアリと判断されたんだねw
そして天女の正体は弁天様でした。
弁天様と相撲、これは薄い本が厚くなるな…。と思ったけど弁天様圧勝すぎて相撲にすらなってなかった。ジャイアントスイングとかしてたけどアレ大丈夫なのかよww
相撲(大嘘)
地獄から脱出!
矢三郎も相撲を取ることにしたようだけど、開始早々「ぼくです、矢三郎です」と打ち明けたあたり、弁天様に助けてもらおうとしてたみたい。
「こんなところまで追いかけてくるなんて」「あきれた、なんて間抜けなの」「地獄に毛を埋めるつもり?」と言いながらも、めっちゃ楽しそうな弁天様。
結局最後の最後で狸にもどった矢三郎は、弁天様と一緒に地獄から脱出することに成功したのでした。
有馬温泉という「極楽」から、絵の中の「地獄」へと放り落とされた矢三郎は、こうして現世に戻ってきたのでした。
ふりかえりと今後のストーリーについて
極楽から地獄へ。今回はかなりわかりやすい対構造でしたね。
あと、気になることがもう1つ。淀川教授のところを訪れたときに「イノシシと戦うなら武装しなきゃ」って言ってたスズキという人がいました。
そう言えば弁天様の本名も「鈴木」だったような気がする。これは意外なところで繋がりが…?