第4話「狸将棋大会」
二代目が弁天様にケンカをふっかけたものの、大きな争いには至らなかった。一方で矢一郎は父が生前やっていた南禅寺狸将棋大会を復活させるのだが…。
弁天さまのささやかな仕返し
前回のラスト、二代目に長椅子から転げ落とされた弁天様。これはプライド的にも傷つけられただろうし、天狗同士の大きな争いに発展するのかと思っていました。
しかし弁天様はとりあえず表面上は取り繕っています。
矢三郎「弁天様、ここはひとつ、お怒りを抑えて…」
弁天「べつに怒ってませんよ、これしきの事で」
怒ってない(大嘘)
弁天さま、やっぱり怒ってました。前回クソ炎天下のなかで二代目がアイロンをかけたシャツを、ことごとく床にばら撒いて、踏みつけてから帰っていった弁天様。
この2人の因縁は今後も続きそうw
動物園の狸
岡崎家の代わりに動物園の狸をやることになった矢二郎と矢三郎。
岡崎家の狸いわく「大事なのは愛嬌」なんだそう。媚びを売るのとは違う…という微妙な匙加減がちょっとむずかしいかも?
それでもカエル姿の矢二郎を頭の上にのせて歩いてる矢三郎は子どもたちに大うけでした。「カエルが狸を運転してるー!」とか言われてた。
ちなみに矢三郎が動物園の狸という「見世物」を引き受けたのは報酬がいいから…といういかにも彼らしい理由だったw
狸将棋大会
さて、場面は変わって南禅寺狸将棋大会!西軍からは玉蘭、東軍からは矢二郎が登場です。「美女とカエル」とかはやし立てられてました。野獣とは程遠いね。
実際の盤面の変化に応じて、駒に化けた狸たちが盤面上を動くっていう構図になってる。矢三郎がやってたのは「桂馬」でした。かわいい。
ちなみに歩が進むときは、歩役の狸が「ふ ふ ふ」と言いながら歩いてたし、銀が進むときは、銀役の狸が「ぎん ぎん ぎん」と言いながら歩いてたし、なんかそれ見てるだけで和んだ(*´ω`)
しかしそんなムードをぶち壊したのが金閣と銀閣の阿呆兄弟でした。
金閣と銀閣がうざい
最近は二代目に擦り寄ってる金閣と銀閣。「英国紳士のたしなみ」とかいってバイオリンを弾いてたけど超絶下手くそだった。
そのうえ、勝手に盤面上を動いたり、違う駒に化けたり、矢一郎が玉蘭に想いを寄せていることをはやし立てたりと、散々かき回す始末。これに乗った矢三郎さんサイドにも責任はあるけれど、やっぱり金閣と銀閣がうざい。
見かねた玉蘭は虎の姿に化けてお怒りの様子。興覚め…ですね。南禅寺将棋大会はこうしてお開きになったのでした。主催した矢一郎や、南禅寺家の面目もこれで丸つぶれです。
矢三郎の母は気の利く親だった
玉蘭と矢一郎の仲は「脈あり」だと思う…と母親は言っています。
「心優しい弟がいる」「誰とは言わないが、将棋大会で迷惑かけたのを申し訳なく思っているはず」「おいしい羊羹でしょ?」などと言いながら、矢三郎と会話をする母親。
これは暗に矢一郎と玉蘭の仲を取り持ってこい…って言ってるようなもんです。羊羹まで持ってきて強かなオカンww
金閣銀閣と張り合って「阿呆仙人」などと架空の駒に化けたりした矢三郎は、結果として矢一郎の面目をつぶしてしまっていたので、その借りを返すために内気な2人の仲を取り持つことになったのでした。
矢三郎、一肌脱いだ
そんなわけで一肌脱ぐことになった矢三郎くん。
幼少のころ、矢一郎は玉蘭に「わざと負けられた」経験があります。そのとき彼は虎に化けて将棋盤に噛みついたんだそうですが、そのときの将棋盤がまだ残っていました。矢三郎はそれを探り出しました。
続けて、彼は玉蘭のもとを訪れる。玉蘭は激昂を反省しているのか、引きこもったままだそう。そんな彼女を「阿呆将棋」で笑わせて、矢一郎のもとへと向かわせることに成功しました。
矢三郎くんめっちゃがんばってるww
ちなみにこのとき、玉蘭の兄と矢三郎の会話シーンがあったんだけど、そのときに矢一郎と玉蘭の仲を認めるような発言があったので、この2人の行く末は安泰なんじゃないかなと思う。
恋する狸は「運命の赤い毛」で結ばれているらしい。糸じゃなくて毛!狸らしくていいよね。
矢一郎と玉蘭の将棋対決
さあ舞台は整った!当時の将棋盤で、矢一郎と玉蘭が将棋を指すことになります。
矢一郎が将棋を指さなくなったのはおそらく父が偉大すぎたから…というのもあるのでしょう。地域の中では名の通った実力者だったよう。
そんな父親のもとに生まれればそりゃプレッシャーにもなるよなあ…と思います。どの世界でも「二世」は大変だよね。親が偉大なほど大変だと思う。
とにかくそんな矢一郎は将棋をしばらく指していなかったみたいなんだけど、今回は矢三郎にあおられて…もとい、彼の挑戦を受けて将棋を指すことに。
途中で矢三郎と入れ替わったのが玉蘭でした。彼女は「もう二度とわざと負けたりしないから」と過去の過ちを認め、また将棋を指してほしいとお願いした。そのシーンが「麗しい」の一言。
矢一郎さん、いい人に出会えてよかったなあと思わずにはいられません…。玉蘭さんは「かわいい」ってより「麗しい」「美しい」よね。
そんないいムードの中、なぜか突然将棋盤のど真ん中に穴が開いて玉蘭が吸い込まれていきました!また幻術かよ!!!
ふりかえりと今後のストーリーについて
このアニメの「狸」の中に、作者の人間観を見ることは容易だと思う。
そんな中でも玉蘭の兄が言っていた「肩肘はってやろうとすると、決まって何かを間違える」という言葉はなかなか至言だと思います。
ほどほどに力を抜いとくのが一番いいよね。有頂天家族のあの空気感が好きです。いいアニメだ。