アニメ『昭和元禄落語心中』第2期(助六再び篇)が始まりました。
第1期では、助六、八雲、みよ吉、そして小夏の過去の話がほぼ1クールに渡ってゆっくりと明かされました。
小夏の赤ちゃんのお父さんは誰なのか?落語界の今後はどうなっていくのか?
助六を襲名した与太郎と八雲の関係やいかに…!?
早速、第1話から今後が気になる展開でした。
第1話あらすじ
八雲、助六(先代)、みよ吉。3人の昔話を聞くことになった与太郎(助六)と小夏。
過去の話を聞き終え、時が経つこと十数年。与太郎はついに真打へ昇格することとなった。
彼は落語の生きる道を模索するのだが、そこで作家・樋口栄助と出会うことで新たな可能性と出会うことになる。
1期おさらい
第1期最終回から約1年がたっています。
「なんだって?春が過ぎて夏が来て、また冬が来た?」
「オイラ1年も頭下げっぱなしってことになるのかい」といきなりのメタ発言。
寄席に客が入っていなかったのは、「視聴者がお客さん」ということを暗示しているのかもしれませんね。
第1期をダイジェスト的に「落語」形式で振り返ってくれます。さすがは落語アニメ!
このとき、与太郎が八雲の役をするのですが、声色も表情も似ていて、本物の噺家さんみたいだと思えました。
噺を終えると、紙に書かれた名前も「有楽亭 与太郎」から「有楽亭 助六」へと変化。
いよいよ時代は現代へと戻ってきました。「3代目助六」としてのストーリーが進み出します。
与太郎が真打へ!そこでの一幕
与太郎が真打へと昇進するにあたって、街を練り歩きます。
しかし、時は過ぎ、当時大人気だった「助六」という名を知る人も随分減ったよう。
街では「誰だよ助六って!与太ちゃんは与太ちゃんだよ!」と言われていました。
夜になると萬月が助六のもとへ。時代はバブルの真っ只中。
萬月はすでに落語を廃業し、テレビの仕事などをやっているようです。
萬月は、助六にも大金の祝儀を渡し、ブランド物の時計と鞄を持っており、景気の良さが伺えます。
「スピードが求められる時代に悠長に落語なんて聞いてくれる人はいない」と言い放つ萬月に対して、助六は「落語は共感を得るための芸です」「共感は時代では変わらないから大丈夫」と、八雲師匠の言葉を借りて、堂々と宣言しました。
彼がいる限り落語は大丈夫そうですね!
八雲の噺
与太郎が真打に昇格し、助六を襲名するにあたり、八雲の噺がはじまります。
動いて話すだけで場の空気を変えていく八雲師匠。萬月の目には憧れに写っていたようです。
老いてなお色気を増す八雲。それを演じ切る石田彰さんがすごい!
八雲も先代の名前を継いだ身。
先代と同じことをやったっておもしろくない。結局自分は自分。名前を変えても何も変わらない、といいます。
それは助六を襲名する与太郎に対するメッセージだったのかもしれません。
さらに落語の噺の中で「芸人のあんたに色だの恋だのって気はないけれど、真剣だってなら嫁にもらっていただきたいわ」と語るシーンが登場。
わざわざ八雲がこの噺を選んだのも、小夏と助六に対するメッセージだったのかもしれませんね。
助六と小夏
小夏は赤ちゃんを連れて寄席に立ち寄っていたようです。なんと松田さんもご存命。
赤ちゃんを抱いた小夏をみて騒ぐ萬月に対して「オイラの跡継ぎ」と言い切った助六がかっこよかった!
この言い回しが絶妙で、一応、嘘は言っていないんですよね。血はつながっていないけど!
「憐れみならよしてくれ」という小夏に対して、「これだって立派な情だ」と譲らない助六。
十数年も1つ屋根の下で小夏と助六は一緒に暮らしてきたのです。
お互い惚れたとかではないようですが、やっぱり助六にとって小夏は特別な存在。 籍を入れて一緒に暮らすことを改めて提案します。
「与太…ありがとう」と小夏。これは誰だって惚れるわ…。
作家・樋口との出会い
場面かわってBパート。寄席をでた助六を呼び止めた人がいました。
彼は、先代の助六を知っているといいます。その場で意気投合した2人は飲みに行くことに。
とにかく演芸に詳しい彼の名は樋口栄助(通称「ひーさん」)。売れっ子作家なのだといいます。
「文化の寿命」という話題に。解説のいらない大衆文化の寿命は大体50年だそう。
…そう考えると日本のアニメ、がんばってるね!
落語は生まれて300年たっても、未だに大衆に寄り添っているんだからすごいと思います。
ちなみにこの「ひーさん」、実は1期のときに八雲(当時は菊比古)に弟子入りしようとして断られたあの少年だったのです!
八雲は弟子を取らない主義でした。「ひーさん」に言わせれば、八雲は落語界の「死神」。
八雲が弟子を取っていれば落語界はもう少しよくなっていたかもしれないとさえ言います。
古典落語をやるということは、過去の名人を否定し、乗り越えるということ。
「ひーさん」は、古典落語の伝承とともに、2人で「創作落語」をやることを提案します。
彼によれば、落語はいま、しがらみも伝統もなくなって、かつてないほど自由だというのです!
八雲の自宅にて
新作落語を「邪道」と切って捨てる八雲。
とはいえ、「真打なんですからご自分の責任でおやんなさい」と、 助六の取り組み自体は否定していませんでした。
そして助六と小夏の結婚についても好きにすればいいという姿勢を貫いています。
余談ですが、このシーン、木炭でタバコに火をつける八雲が渋くてかっこいいです。
さて、そんな八雲と一緒に暮らしたいと切り出します。ずっと独りで生きてきた八雲と小夏の家族になりたいと。
十数年前に八雲と交わした3つの約束を持ち出して、いつか、「助六」という名前が自分に馴染めば、2人の中の「助六」をきっと変えられる!と。
「落語と心中。それがあたしの定めさ。」と宣言する八雲に対して、そうはさせまいと助六。
八雲は何のために落語をやるかと助六に問います。
「へえ、そりゃあもう、落語のためです。」助六がこう答えて幕引きでした。
次回予告
助六が足を洗う前に泥棒をやっていたことが週刊誌に抜かれている様子。
八雲と小夏が並んで寝ている!?これが最大の衝撃でした。
そして最後に花が落ちていました。こちらも意味深げ。
なんだか色々と衝撃的で、次回を早くみたいです!!
ふりかえりと今後のストーリーについて
創作を提案する樋口と、伝統を重んじる八雲。
その狭間で揺れ動く助六は、どんな答えにたどり着くのでしょうか?
そこにこそ、落語の生き残る道が示されているのだと思います。
今後の展開を楽しみにしておきたいです。
そして、小夏と助六の関係も気になるところです。
画伯が真面目な役をやるの?とおもいましたが、めっちゃはまり役でした。
何よりもこの作品、要所での音楽がとってもいいんですよね!!
ネットでは「5分アニメ」と言われるほど、とにかくストーリーに引き込まれてあっという間に時間が過ぎています。
『昭和元禄落語心中』第2期もすごく楽しめそうです!