インターハイで優勝という結果を残した総北自転車競技部は、世代交代の時期を向かえ、新キャプテンには2年の手嶋、副キャプテンには同じく2年の青八木が任命される。インターハイには出場できなかった2人だが、さらなる努力を積み、練習中に1年の今泉、鳴子に勝負を持ちかけ、見事勝利をおさめる。
次のインターハイに向け気合いが入る一方で、突然イギリスの学校へ転校することを理由に卒業を待たずに退部してしまう巻島。その最後の日に巻島は峰ヶ山へ登りに向かうが、途中で坂道と遭遇し、峰ヶ山に誘う。坂道に退部すること、イギリスへ旅立つことを告げないまま、巻島は部を去ってしまう。巻島が退部したことを知った坂道はショックから自転車に集中できなくなってしまう。
弱虫ペダル3期 2話「巻島が遺したもの」あらすじ
巻島の突然の退部により、スランプに陥った坂道。そんな坂道の様子を見抜いた手嶋は坂道に声をかける。巻島という存在を急に失ったことで迷いのあった坂道にゆっくり自分の立ち位置を知れと語りかける。一方、空港でイギリスへ出発間際の巻島に一本の電話が…。
箱根学園では新体制が整えられ始め、王者奪還に燃えていた。強力な3年生の代わりにチームに入るのは一体どんなメンバーなのか!?
もう一人のクライマー
巻島のことばかり考えていた坂道は練習中に落車してしまう。そんな坂道を見て、部員のほとんどが新車に慣れていないせいだと思っているが、ただ一人手嶋だけが坂道の本当の落車の理由を見抜いていた。手嶋は坂道に「巻島のいない今、クライマーは坂道だけなのだ」と伝える。手嶋が坂道にそう伝えた真意は計りかねるが、案の定その言葉を受けてさらに調子が上がらなくなる坂道。
どんどん自分を追い込んで自分らしい走りのできなくなっている坂道に手島が次にかけた言葉は「ゆっくり登ろう」だった。坂道と走りながら巻島の思い出話をする手嶋。そして、巻島を失い、迷っていた坂道に辛かったら休めと告げる。さらに、自分の立ち位置を知れ、と。
手嶋は「自分は部長なのに一番弱い。メンタルも強くない。」と語り、それを知っている から自分のやるべきことは努力だという結論を出した。1話の今泉、鳴子との勝負の時にも垣間見えたが、インターハイに出られなくても腐らず出場メンバーのケアをしながらも、強くなるための努力を惜しまなかった。そんな手嶋がキャプテンとなった総北、期待できる!!!
一方、空港に着き、搭乗間近の巻島に1本の電話が掛かってくる。電話の主はあの巻島のライバルである箱根学園の東堂だった。インターハイで総北に敗北した箱根学園は今年は王者奪還に燃えていた。東堂は巻島のいなくなった総北にはクライマーが一人しかいないことを指摘すると、もう一人いると答える巻島。もう一人のクライマーは才能もセンスもないが努力で登る男、そう、手嶋のことであった。巻島がいなくなったクライマーの穴を埋めるため、巻島に少しでも近づくために手嶋は人知れず自主練に励むのだった。
一歩一歩着実に前へ
放課後、1人教室に残り、練習メニューやメンバーリストを考えていた様子の手嶋に友人が声をかける。手嶋は練習後のカラオケに誘われるが断ってしまう。カラオケのメンバーには中学時代の部活仲間や手嶋の気になっている女子も参加するというが、インターハイに心を持っていかれている手嶋には気の合う友人カラオケに行くことよりもチーム総北をどんなチームにしていくか考える方が大事なようだ。
手嶋のモノマネメドレーはかなり気になるので、見られなくて残念だが。ちなみに、友人と話している途中、中学の部活仲間の写真が登場するが、そこには今期から新キャラクターとして登場するあのキャラクターの姿も。
王者総北を背負う手嶋の覚悟は想像以上に強いものなのだろう。部員の管理も怠らず、さりげなく情報収集も行っていた。坂道はあれから少しずつ調子を取り戻し、青八木はスプリント勝負でなんと田所に勝利していた。坂道のことも一安心だが、手嶋と青八木の2年生コンビがどんどん成長して、どんどんかっこよくなっていく!手嶋はどんなチーム総北を見据えているのか。
新生チーム箱学(ハコガク)
そう、何もチームが一新するのは総北だけではない。あの箱根学園も世代交代を迎えていた。インターハイで惜しくも総北に敗北した箱根学園は新キャプテンに泉田、副キャプテンには新キャラクターである黒田雪成が指名される。
黒田は全体会では真波に敗れ、インターハイ出場を逃した2年生のクライマーであった。箱学は泉田、黒田、そしてもう一人の新キャラクターである葦木場拓斗を中心に舵をとる。葦木場は先ほど手嶋の中学時代の写真にも登場した通り、手嶋とは中学の部活仲間であり、身長は箱学史上最長の2m2cm。その高身長は競技にどう生かされるのだろうか。
葦木場は中学時代の手嶋の印象を聞かれ、自転車のことではなく「カラオケがうまかった。特にモノマネメドレー」と話す。まさか、手嶋のモノマネメドレーの話がここでも出てくるとは…ますますどんなものなのか聴いてみたくなる。そんな不思議な空気を持つ葦木場に新開は次のレースへの出場を進める。どうやら葦木場には競わせたい相手がいる様子。手嶋ではない誰か、とは一体…?
王者奪還に向けて
所変わり、インターハイについて振り返る箱学3年生。あれほどまでに勝利に近かった箱学はなぜ負けてしまったのか。真波が本気を出さなかったからだと言う荒北を福富は否定し、自分の読みの甘さが敗因であると話す。総北1年の坂道があれほどまでに不屈の精神力を秘めていることを見抜けなかった。
その坂道の意外性こそが箱学を王者から引き摺り落とす原因となったのだ、と。意外性と聞くとどこかの赤髪のバスケットマンを思い出すが、彼も坂道も初心者だからこそのデータの不足、奇想天外な発想はうまく働けばかなりの戦力になる。
それは福富だけでなく、誰にでも簡単に読めることではない。しかし、意外性というのは初めてだからこそ多大な効果を発揮するものであって、慣れてしまえば対策は練れるもの。だから新開はさっき葦木場にレースに出るように勧めたのだ。葦木場に坂道を見ておくために。
王者の重み
インターハイを終えてから初めてレースに出場する坂道だったが、周りから「インターハイ個人総合トップ」として注目され、周りにチームメイトがいることも見えなくなってしまう程にプレッシャーに呑まれてしまう。そんな坂道に全部背負い込むなと声を掛けるのは手嶋。
こんな上司欲しい。3期が始まってから手嶋の株が天井知らずに上がり続けているのではないだろうか。今泉も心配して声をかけ、坂道も多少は落ち着きを取り戻すのだった。総北からこのレースに出場するのはどうやらこの3人のようだ。そして、箱学からはあの葦木場が出場している。新メンバーゆえ実力は未知数。一体何を仕掛けてくるのか。
まとめ
巻島ロスからようやく立ち直り始めた坂道。それもこれもキャプテン手嶋が出来る男過ぎるおかげである。とうとう箱学の新メンバーも登場し、いよいよ3期のストーリー始動といった印象。
今回のレースには青八木は出場しないようだが、手嶋はどのような戦略でレースに挑むのか。このプレッシャーの中、チーム総北は実力を発揮することができるのか。新キャラクターの葦木場はその高身長でどんな走りを見せるのか。次回も見どころ満載の30分になりそうだ。