第12話「賭ケグルイの女」
ついに生徒会長である桃喰綺羅莉とギャンブルで勝負することになった蛇喰夢子。「負けたほうが学園を去る」というルールでおこなわれるのはタロット勝負。原作者によるアニメオリジナル展開の末路やいかに…!?
タロット勝負で「運命」
うーんめいのルーレットまわしーてー ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
ルーレットで連続して黒が出た回数は、27回なんだそう(確率にして70億分の1ほど)。
そのときのディーラーは「運命」を感じたのだといいます。そんな話を持ち出して「運命とは起きてしまったことをどう呼ぶか」という話にすぎないと断じる綺羅莉。
どんなまぐれ当たりだっておこりうる。今思えば、そういう伏線だったんですねw
「過去」を綺羅莉、「現在」を夢子、「未来」を鈴井が引くことになった。これは、会長が2人の「未来」を鈴井に託した…という風に読むことができるかもしれません。
他人の仕込んだ手には乗らない
鈴井くんが3枚目のカードを引くシーン。そこが12話の、そしてこの「賭ケグルイ」というアニメの最大の見所だったと思います。あとそれを聞いた夢子(
しゅごおおおおおおおおい!!! ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
ギャンブルの終盤。明らかに怪しいカードが1枚だけあった。会長のグロスがついてたんだよね。
芽亜里や伊月の見立てでは、それが「勝てる」カード(つまりジョーカーである愚者)だったんだけど、鈴井は敢えてそのカードを引かなかった。
会長のグロスのついたカードを引くということは、会長の用意したものの上で踊るということ。リスクを追うのが楽しいのに、その部分を他人任せにしていいはずがない。だから、結果がどうであれカードを自分で選ぶ。これは俺のギャンブルだ!
こう高らかに宣言した鈴井くんは、なかなかかっこよかったww
これには夢子もメロメロ。すごおおおおおおい!!!!って言ってました。
そして鈴井くんの目が夢子のように赤く光る!!凡人だけどがんばったシーンでしたねえ。結局鈴井くんが引いたカードによって2人は「引き分け」に終わりました。
鈴井くん、夢子に夢中
「夢子のギャンブルを一番近くで見ていたいんだ」と、唐突な告白。
キャーキャー! ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
鈴井くんは夢子に魅せられているんだ…ということがよくわかりました。
そしてその告白を聞いて、なぜか卒倒する芽亜里w
ギャンブルとは何か
ポチだった鈴井くんが、夢子との関わりのなかでギャンブルのなんたるかを会得していく。その集大成が最終回だったと思います。
ギャンブルの本質とは、自分で設定したリスクを負うこと。他人のテーブルの上では踊らないという覚悟を持って最後の1枚を引いたのでした。
覚悟を決めた鈴井くん ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
たぶん、昔の鈴井くんだったら「夢子を助けるためにー」とかいって、グロスのついたカードを引いてたと思う。そして、会長の仕込んだ罠にかかってたでしょう。
夢子と出会ったことによって、鈴井くんが変わった。それがハッキリと描かれていました。
顔芸のない「賭ケグルイ」
最終回は「賭ケグルイ」にしては珍しく、顔芸のほとんどない回でした。
顔芸がなかった(大嘘) ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
書記のさやか、見届人のうまるちゃんなど、周りにいたメンバーの顔芸は多少あったかもしれないけれど、勝負をしている当人たちの顔芸はなかった。
おそらく、2人は勝ち負けそれ自体には拘泥していないんでしょう。2人は純粋に「ギャンブル」を楽しんでいただけだった。負けたら家畜、負けたら借金3億円、負けたら死。そういうモノをかけたのではない。
「賭ケグルイ」史上、最も上品な回だったと思いますw
俺たちの戦いはこれからだ!
結局、両者ともに学園を去ることがなかった。
典型的な「俺たちの戦いはこれからだ!」的な終わり方だったと思います。どっちかが破滅して終わるのかと思ったけれど、普通に続きそうw
なんか、綺羅莉以外にも似たような見た目の人がいたし、もしかして桃喰一族っていっぱいいてる感じなんでしょうか?おそ松さんみたいな(それは違う
最後に出てきたアイツは誰だったんでしょうね。
リリカ、登場 ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
そういえば副会長だと思ったら、仮面の下は会長でした〜的な終わり方だったし、会長の影武者がいるのかな?と思ったけど、そっくりさんが数名いてますってパターンはありそうです。
あと気になるのは、めっちゃ大物感を出してた黄泉月るな(うまるちゃん)でしたが、こちらも直接対決は描かれず。
…とまあ、こんな感じだったので、『賭ケグルイ』アニメの第2期もありうるんじゃないかなと思ってます。
『賭ケグルイ』全話感想とふりかえり
「権力闘争」「イカサマ」のゲームの様相を呈していたけれど、後半になるにつれてちゃんと「ギャンブル」するようになっていったのはおもしろかった。
こういう「物語」というのは、何かしら「変化」がおきるものです。何も起こらないならストーリーは成立しません。
「日常系アニメ」は一見すると「何もおきていないように見える」からこそ「日常」という形容詞をつけられ、一部のアニメファンからは低く評価されていたりもするわけです(「何もおきていない」というのは大きなまちがいだけど)。
覚醒した鈴井くん ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ」製作委員会
さて、夢子は常に強者であり続けた。あまり変化していません。 変化を受けたのはどちらかといえば鈴井くん。そして芽亜里など周りの人間でしょう。
綺羅莉は夢子に毒されつつある…かもしれません。続編に期待したいところです!