前回のおさらい

スレイたちは聖堂を破壊しようとするデゼルを止めようとする。デゼルがロゼに手をかそうとしていた理由が明らかになる。そして、旅を続けてきたスレイにも変化が見られる。導師の役目を徐々に見出しつつあるようだ。そのころ、アリーシャはアリーシャの戦いを続けていた。

第16話「復讐」

スレイたちと別れたロゼは「風の骨」として任務に当たる。長年の復讐であったコナン王子の暗殺である。一方、スレイたちはペンドラゴンへと向かっていたが、ロゼを尾行していたミクリオの知らせを受けて、急遽ロゼの元へとかけつける。

コナン王子への復讐

「コナン王子の居場所をつきとめた」という報告を受け、ロゼは長年の復讐を決意します。ここで回想。ロゼはブラドのはからいによってコナン王子との婚約を取り付けます。昔のロゼ、しかもドレス姿のロゼさんがかわいい…!

しかしその「コナン王子」に裏切られ、ブラドたちは命を落としてしまったのです。「セキレイの羽」のボスでもあったブラドの意志を継いだのがロゼだったのです。今回の風の骨ターゲットは、いわば「因縁の相手」とも言えます。

ドレス姿のロゼ © BNEI/TOZ-X

ロゼを尾行するミクリオとエドナ

ブルードマンとともにペンドラゴへと行くことになっていたスレイ。しかし教会を襲ったデゼルのことも気にかかるようで、ミクリオはデゼルを追うためにロゼを追わせます。

すると先客が。「ミボ1人じゃ」とエドナまでいました。この2人はいいコンビですねー。尾行にはデゼルも気づいていたようですが、敢えて引き止めはしませんでした。それどころか、むしろロゼが「風の骨」という裏の顔を持つことをアッサリ話し始めます。

幼いころに初めて人を殺したということ、「風の骨」の前身「風の傭兵団」のこと、弱い者のために戦っているのだということ、必要悪を自覚していたということ、それはブラドの意志でもあったということ。「届かない理想よりも目の前の正義」を掲げていたということなど。

「殺されていいやつなんていないと思うけど」 © BNEI/TOZ-X

「殺されなきゃいけないやつがいる」と主張するデゼルと、「殺されていいやつなんていない」と反論するエドナ。ここまできたらもう信念の、正義のぶつかり合いですね…。

力のないものは権力者に従うしかないのか?

「殺されていいやつなんていない」というエドナに対して「力のないものは権力者に従うしかないのか?」と問うたデゼル。

ブルードマンにとって、デゼルの問いに対する答えは”Yes” なのでしょう。「強い者が弱い者を従わせるのは当然のこと」と言い放ちます。それに対してスレイは「負けてもそう言える?」と問います。つまりブルードマンの論理は、強者の論理。

コナン王子の悪行

コナン王子は、ブラドを裏切ったあとも、権力に手を染めて、悪行に手を染めていたことがわかります。偽物のエリクシールを流通させ、蔓延させ、中毒者を増やしていった王子。中毒者が増えるほど偽のエリクシールは売れます。

コナン王子。典型的な悪の顔w © BNEI/TOZ-X

偽のエリクシールはアリーシャのいるハイランド王国にも持ち込まれていた様子。そして偽物のエリクシールを精製できるのは教会でもごく一部の人間に限られています。つまりコナン王子と教会はグルだということ。

こういうのを見るたびに「権力は腐敗する」というアクトンの言葉をつくづく思い出します。コナン王子が悪いのではなく、コナン王子が権力に手を染めたことが悪いのです。ともかく、王子は風の骨のターゲットとなったのでした。

ついにスレイがロゼの裏の顔を知る!

さて、ミクリオから知らせを受けたスレイはロゼの元へ。しかしことはすでに終わっていました。しかしロゼは王子の急所を外してしまった様子。恨みから冷静さを欠いていたのかもしれません。

スレイはロゼを止めようとしました。それに対してデゼルは「導師のきれいごとには飽き飽きだ!」と珍しく声を荒げます。

今回はロゼが逃げる王子に再び手をかけようとしたところでエンディングへ…。相変わらずこのアニメ引きがいいなあ!

コナン王子に迫るロゼ。 何年も暗殺していてこのときだけ失敗とかありえないと思うので、実はコナン王子が人じゃなかったとかあるかもですね。。。分からないですがw © BNEI/TOZ-X

次回予告(あれば)

テイルズといえば歴代シリーズで毎回のように登場するのが料理要素!今回は、スレイとミクリオの1分クッキングのコーナー♪ 唐突にミクリオが凛々しい声になりましたw

「水の天族、ミクリオです(キリッ」

氷がほしいなら水の天族の友だちを作りましょうなど、ミクリオがちょっとおふざけキャラになっているのがおもしろかったです。

突っ込みを入れられるミクリオ、スレイ © BNEI/TOZ-X

次回は「エドナ先生の暗黒物体」…ではなく「届かない理想より目の前の正義」。

ふりかえりと今後のストーリーについて

「いついかなる時でも人殺しはいけないことだ」というのがスレイの信条のようです。まさに、倫理や哲学の領域でよく見かける「トロッコ問題」そのものですね。これは永遠に一致することのない問題ではないでしょうか。

ミクリオ、エドナ、ライラのなかで誰かロゼとデゼルに肩入れするのかと思っていましたが、そうではなさそうですね。彼らはスレイたちとともに、「目の前の正義よりも、理想」を追い求めるということなのでしょう。

ともかく真相を知ったスレイたちがどうするのかが気になるところ。顔を護衛に見られたロゼも、今後どうなるのでしょうか。次回に期待!