前回のおさらい

助六、樋口、松田の3名は、かつて菊比古と助六がかつて訪れた阿波の旅館「亀屋」を訪れる。助六は若き日の2人の落語を見たあと、この地でかつて起きたできごとの真相を知ることとなる。

『昭和元禄落語心中』第8話

八雲師匠の前で、先代の助六(信さん)が亀屋でやった「芝浜」を再現してみせた助六(与太ちゃん)。そしていよいよ八雲師匠が再び落語をやる決心をした。まさに、そのとき。

萬月師匠の上方落語、旗揚げ!

冒頭、萬月師匠が上方落語をやっていました上方落語は「膝隠し」「見台」というのがあって、それをカチャカチャと音立てて喋るんだそうです。

それで「東の旅」という、大阪から旅に出る噺をやる萬月師匠。肝心の部分はカットでしたが、「10年ぶり」という自身の落語にはちょっと落胆した模様。助六は「いいねえその落ち込みっぷり」と余裕の表情。

そして助六は弟子を取っているんだそう!名前は小太郎。なんか線の細そうな人だけど、大丈夫なのかなw

助六の一番弟子「小太郎」大丈夫か?w ©雲田はるこ・講談社/落語心中協会

昔の菊比古と信さん

「野ざらし」の歌をうたう信之助と、それを戒める八雲師匠。「苦手ですよ騒々しい噺は」という八雲師匠。いつか、幼い小夏の前で披露したときもあまり得意そうではなかったですよねw

そして実の祖父に年々似てくる信之助。髪の毛なんかそのままですよね。「もう1人じいじがいる」ということをここでサラッとカミングアウトします。

そんなときにやってきたのが樋口。ひーさんは戦後すぐの寄席の写真や、ネタ帳、演芸雑誌などをかき集めて、八雲師匠の元へやってきたのでした。アルバムを見るとまだ二つ目だった頃の助六が、映っています。

上野で「夢金」かけてる、初雪が降った日だ、など、あの頃のことを鮮明に覚えていました。第1期の頃の話ですね。懐かしい。

懐かしいアルバムを眺める八雲師匠 ©雲田はるこ・講談社/落語心中協会

老いた師匠

与太ちゃんと小夏は2人で座っています。

世間話をしていたら「オチがくだらないから」と急に黙った与太郎。落語「野ざらし」をやることに。そしてそれを聞きながら与太郎に寄り掛かる小夏。…なんかいい感じに夫婦してて微笑ましい限りですねw

そんなとき、八雲師匠が橋の上に。「アンタまさか死のうとしたんじゃないだろうね!」と小夏はいいましたが、どうもビンゴだったようす。「まだ罪を滅ぼしちゃいねえんだ!」とも言ってるので、小夏にはまだ本当の記憶が蘇っていないようですね。

さて、涙する小夏を抱えながら「あたしゃ、てめぇじゃ死ねねえお定めのようだ。みんな邪魔しにくる」と言い出す八雲師匠。このときの顔がマジ死神。凄みがあった。。

やっぱり肉体が老いてくると落語はうまくできないみたいなんです。若い助六にはなかなかわからないんでしょうか。でも、八雲師匠にも嫉妬の気持ちはあるでしょう。

それを汲み取った助六は「落語なんてやりたくなったらまたやりゃいい」「八つ当たりぐらい、いくらでも」と切り出したのでした。それが先代の助六の言葉にも重なった様子。助六、再び。ですね。

「八つ当たりくらいいくらでもしてくだせえ」 ©雲田はるこ・講談社/落語心中協会

松田さん、閃いた

別の日、庭で組の「親分」と八雲師匠が相合傘をしていましたw

「下が頼りない」「下が許してくれない」「目の上のたんこぶ」となっているから、お互いに、なかなか引退できないことを嘆いている様子。

それと、八雲が親分に対して「親分さんには返しきれない恩義がある」と言うのですが、具体的に何があったのかはちょっと気になります。今までそんな描写あったっけ?

ともかく、親分は親分で「八雲の落語が聞きたい」と言って聞かないそうだし、松田さんや与太ちゃんのような八雲師匠の周りの人間も「八雲の落語が聞きたい」と思っている。そんなとき松田さんがアイデアをひらめきます。カッと目を見開いた松田さんはじめてみたww

松田さんのひらめき ©雲田はるこ・講談社/落語心中協会

助六の「芝浜」

やってきたのは料亭「柳しま」。そこには八雲師匠と特に関わりの深かった人たちが一同に勢揃い。八雲師匠の落語を聞こうと集まっていたんです。

「座って世間話だけでもいい」と頼み込む助六。それでも師匠は帰ろうとします。それを見かねた女将さんが八雲師匠を部屋へ強引に投げ入れます。GJすぎるww

女将さん「みなさな、お待たせしましたわ!(ブンッ」

師匠の前座で助六がやったのが「芝浜」でした。しかも先代助六が亀屋旅館でやった「芝浜」そのものでした。八雲師匠も小夏も、すぐさまそれに気づきます。完全に山ちゃんの助六が降りてきてた!

助六が「芝浜」を選んだのは、あのときの菊比古が楽しそうに落語をやっているように見えたからなんだそう。もう一度八雲師匠に楽しく落語をやってほしい、そんな気持ちがあったのかもしれないですね。

ずーっと流れてたBGMも悲しげ。ちょっとノスタルジック。そんな感じでした。

先代助六の「芝浜」を演じる助六 ©雲田はるこ・講談社/落語心中協会

いよいよ師匠の落語復活のとき!

さて、ともかくここまでお膳立てされたら八雲師匠も落語をやるしかないでしょう。

さらに小夏が「助六」とかいた、先代の助六(信さん)がお守りに持ってた扇子を渡します。ついに師匠の落語が復活の時を迎えるのです…。

しかし、このタイミングで警察が乱入。親分を逮捕しに来ました。

よりによって!!このタイミングで!!!

なんと無粋な。なんと野暮な。せっかくあたたまった場に冷水が浴びせられました。八雲師匠の落語がはじまったところで、親分が銃刀法違反で逮捕。その場で手錠をかけられていきました。

ここで警察が乱入 ©雲田はるこ・講談社/落語心中協会

ふりかえりと今後のストーリーについて

師匠がまた落語をやろうと思ったタイミングで邪魔が入りました。これは最悪。師匠の落語が終わるまで待つとか、入口で待つとか、なんか他に方法あったでしょって思うんですが…。

粋じゃない。まさに無粋でしたね。八雲師匠は再び落語をやる日が来るんでしょうか。。