前回のおさらい

スレイたちと別れたロゼは「風の骨」として任務に当たる。長年の復讐であったコナン王子の暗殺である。一方、スレイたちはペンドラゴンへと向かっていたが、ロゼを尾行していたミクリオの知らせを受けて、急遽ロゼの元へとかけつける。

第17話「届かない理想より目の前の正義」

ロゼはコナン王子の暗殺にかかった。そしてついにロゼの裏の顔を知ったスレイ。スレイはスレイの主張を掲げる一方で、ロゼには少し迷いがみられるようで…。そしてロゼの過去の一部が明らかになる。

コナン王子とロゼの決着

ロゼは確かにナイフでコナン王子の急所を狙い、命中させました。しかしなぜかコナン王子は生きています。その理由は、彼が憑魔だったからでした。

あろうことかコナン王子はロゼのナイフによる攻撃を素手で受け止めて反撃を仕掛けます。ライラによると感覚が遮断されているせいで痛みも感じなくなっているのだということ(ダメージは受けているがその自覚がない)。

相変わらずUFO TABLEならではの迫力ある戦闘シーン!狂暴化したコナン王子は建物からロゼとともに落ちていきます。おそらく死んだのでしょう(明確に死体を発見することはできませんでした)。

コナンの居所 © BNEI/TOZ-X

ロゼがやってきたことは…

ロゼが「セキレイの羽」だけでなく「風の骨」としても活動してきたことを、ついにスレイも知ることになりました。それを知ったスレイはロゼを責め立てたりもしません。しかし「ロゼが暗殺者なのはイヤ」だと言います。しかしロゼは「これも私」と譲りません。これまで散々見てきたように、彼女自身はいいことだと思ってやっているのです。

ロゼは自分が穢れの塊なのかとスレイに問いますが、そんなことはありませんでした(憑魔にはなっていないので)。

穢れは誰の中にもすんでいる。どんな人にだって憎しみや嫉妬がある。それが穢れを生むとしても、そうした感情をなくしてしまったら人間ではなくなってしまう。それがスレイの行き着いた答えでした。

一方でロゼは少しずつ迷っていくことになります。

デゼルはロゼをどうしたいのか

デゼルはロゼに憑依していました。おかげで彼女の霊能力のようなものを得たわけですが、代償だってあります。「デゼルはロゼをどうしたいのか?」とライラはデゼルに問います。

なんと、デゼルは「ロゼはブラドの目的を果たすための傀儡」と言い切りました。ロゼはブラドの後継者であり、デゼルはブラドを支えると決めています。だからロゼにはブラドの遺志を継いでもらい、彼のやろうとしたことを成し遂げてもらう必要があるわけです。

傀儡だと言い切るデゼル © BNEI/TOZ-X

単に好きだからずっとロゼのそばにいたわけでもなかったのですね。デゼルにはデゼルの打算というか目的があったということです。これはなかなか衝撃的でした…!

セルゲイからの遣い

スレイやロゼたちを乗せた馬車は検問にひっかかります。セルゲイ団長からの遣いでした。いまはグルードマン率いる青藍騎士団があちこちに検問を張っているので、森の中を抜けていくことになります。

しかし森の中はものすごい穢れに覆われています。穢れがもたらした雨は長きにわたって降り続き、穢れは大地に、そして生き物に、侵食していったようです。それでもスレイたちは進みます。

森を進んでいると、ロゼはスレイに対して「私が今までやってきたことは無駄だったのか?意味がなかったのか?」と問います。スレイにもそれはわかりません。意味があったかどうかは今後のロゼがそれをどう受け止めるかによるのでしょうね。

自分のやってきたことに自身で質問を投げかけるロゼ © BNEI/TOZ-X

でもロゼの行動で救われた人は少なからずいると思います。

ロゼの過去

森の中を進んでいるとロゼの回想シーンに切り替わります。

幼いころから「セキレイの羽」の一員であったことがすでに描写されていましたが、なぜ幼いロゼが仲間になったのかは十分に語られていませんでしたね。実は連れ去られそうになったところをブラドが率いる「風の傭兵団」に助けられた、というのが始まりのようです。

「生きるために惨めになったっていい。しかし理性を捨てるな」と言い放つブラドはめっちゃかっこよかったです。ロリコン絶対殺すマン。顔もちゃんと移りましたね。めっちゃかっこよかったです(2回目)

ロゼは、将来はブラドみたいになりたいと宣言していました。そのときに聞いた言葉が「届かない理想より目の前の正義」でした。「できもしない能無し扇動者に用はない」という言葉も同じことを言い表しているのでしょう!

「大事なことはな。届かない理想より目の前の正義だ。」タイトル回収 © BNEI/TOZ-X

次回予告

みんな大好き次回予告のコーナー!

デゼルは夕食がマーボーカレーだと「風の便り」でわかったようです(においでわかるから当たり前)。さらにデザートがイチゴショートだということもわかったようですが、これも「風の便り」。

さらに、(本編で悩んでいた)ロゼを1人にしておいてやれ、とも言います。「俺は「空気の読める男」だからな」と、自らの能力にかけ合わせたセリフまでキメてくるデゼルさん。

ちなみに明日の食事は風の便りでわかるのか、スレイが尋ねたところ「さあな、明日は明日の風が吹くさ」とまたキメ台詞w

ふりかえりと今後のストーリーについて

今回はロゼの過去に迫る物語でしたね!こんなに1人のキャラクターをしっかり掘り下げてくれるなんて思ってませんでした。しかしスレイとは真逆の「正義」を掲げるロゼだからこそ、これだけしっかり描く価値はあったんだろうなと思います。

自分が正しいと思っていたから、ロゼは穢れに今までのまれなかったのかもしれません。しかし迷い始めた今、ロゼが穢れにのまれてしまうのか…という心配は少しあります。次週以降に期待。

そしてスレイがどんどん大人になっていく。。「誰の心にも憎しみや嫉妬はある」という境地にたどり着いたスレイならば、ベルベットともうまくやっていけそうな気がします。そろそろベルセリアの方も話が進んでくれるといいなあ!

相変わらず作画のクオリティが高い!穢れを振り払うスレイ。 © BNEI/TOZ-X